リゾートバイトの交通費は、確認した3社の案内ではいずれも働き終えたあとの最終の給料日に合わせて支払われます。アルファリゾートは赴任時の立替えも明記しています。上限があるので、上限の額・帰りの分を含むか・満了が条件か・経路や領収書の扱いを応募前に聞きます。旅費には所得税の非課税の枠があり、給与明細で課税の欄か非課税の欄かを見られます。
交通費には、赴任の旅費と通勤の手当がある
リゾートバイトで「交通費」と言うとき、指しているのは主に赴任のための費用です。自宅から勤務地まで行く運賃と、契約が終わって帰る運賃です。帰りの分が支給の対象に含まれるかは、会社と求人で違います。
もう1つ、通勤手当というものがあります。働いているあいだ、寮から職場へ通うための費用を補う手当です。寮が職場の敷地内や隣にあれば、そもそも出番がありません。
この2つは、税のルールでも別の扱いです。所得税法第9条第1項は、第4号で転居などの旅行に必要な支出に充てる金品を、第5号で通勤手当を、それぞれ非課税の所得として別々に挙げています。この記事で扱うのは、第4号側の旅費です。
赴任の旅費と、通勤手当は別のものだと押さえておくと、求人票の「交通費」の欄を読むときに迷いません。
3社の案内。働き終えてから、最後の給料と一緒に
確認した3社の案内を並べます。いずれも同社のよくある質問のページです。
| 会社 | 同社の案内 |
|---|---|
| リゾバ.com | 勤務地までの交通費は支給する(海外からの渡航費は自己負担で、国内の滞在先を起点に支給)。支給額には上限があり、目安は3〜4万円程度。最終給与とあわせて支払う |
| リゾートバイト.com | 上限はあるが支給する。勤務満了後に、最後の給料と合わせて支払う。途中退職の場合は、支給できないことがある |
| アルファリゾート | 契約期間の満了を条件に、最後の給料日に給料と一緒に支払う。規定は求人ごとに違う。赴任時は交通費の立替えを案内している |
3社に共通するのは、支払いが働き終えたあとだという点です。アルファリゾートは赴任時の立替えを明記しています。
ここでいう「満了」は、契約書に書かれた期間の最終日まで働き終えることです。「最終給与」「最後の給料日」は、その満了後に払われる最後の給料のことです。
赴任(勤務地へ移ること)の運賃は、まず自分で払うものとして準備します。
手元に要る額は、立て替える運賃と、最初の給料日までの生活費の合計です。アルファリゾートは、このうち生活費として5万円程度の準備を案内しています。運賃は別に要ります。
最初の給料がいつ入るかは給料はいつ入るかの記事にまとめました。
ダイブ(リゾートバイトダイブ)は、運営会社のコラムで、ほとんどの派遣会社が期間満了を条件に交通費を支給していると説明しています。同社は、途中退職では往路・復路とも自己負担になるとも書いています。会社ごとの違いは小さくありませんが、「満了が条件」という形は、確認した範囲では共通しています。
上限があるときに、聞いておくこと
「上限があります」は、実費がそこまで出るという約束ではありません。上限を超えた分の扱いは、3社のページに書かれていません。上限がある以上、超えた分は自己負担になると見て準備します。リゾバ.comの目安のように金額が示されていても、遠方から赴任する人は届かないことがあります。
アルファリゾートの検索条件には「交通費支給3万円以上」のような項目がありますが、同社のよくある質問は、その金額の意味を説明していません。同社の案内は、規定は求人ごとに違うというところまでです。条件に合う求人でも、その金額が自分の移動に足りるとは限らないので、求人ごとに担当者へ確認してください。
応募前に、次の4点を聞いてください。
- 上限はいくらか。往路だけの上限か、帰りの分も含むか
- 満了が条件か。条件だとすれば、契約期間の何日まで働けば満了か
- 経路や交通手段の指定はあるか。新幹線や飛行機を使ってよいか
- 支払いは最後の給料日か。それより前に出る分はあるか
応募前に、自宅から勤務地までの運賃を調べておくと、上限と見比べられます。上限に届かない分が、自分の負担になる見込みの額です。
上限額と、帰りの分を含むかどうかは、求人ごとに違う項目です。確認した3社のページには、帰りの分の扱いや領収書の取り扱いを定めた記述がありませんでした。担当者に聞いた答えは、メールで送ってもらうか、日付と相手の名前を添えて残します。
書面で見る欄の全体は応募前に確認することの表にまとめてあります。
旅費の非課税の枠。条文に書いてあること
交通費は、給料に上乗せされる収入のようにも見えます。税の面では、旅費に非課税の枠があります。
所得税法第9条第1項第4号は、出張などの職務の旅行のほか、転任に伴う転居のための旅行、就職や退職をした人がそれらに伴う転居のためにした旅行について、その旅行に必要な支出に充てるため支給される金品で、その旅行について通常必要であると認められるものには、所得税を課さないと定めています。
リゾートバイトの赴任と帰りがこの区分に当たるかは、次の節に書くとおり、この記事の出典では確かめられません。
「通常必要であると認められる」範囲の見方は、国税庁の所得税基本通達9-3にあります。判定にあたって勘案する事項として、支給額が、支給する会社の役員や使用人の全員を通じてバランスの取れた基準で計算されているか、同業種・同規模の他の会社が一般に支給している金額に照らして相当と認められるか、の2つが挙げられています。
非課税になるのは、通常必要とされる範囲の旅費です。通達9-4は、その範囲を超える部分は、旅行の区分に応じた所得として課税されると定めています。就職に伴う転居のための旅行では超える部分は雑所得、退職に伴う転居のための旅行では退職所得とされています。
つまり、枠の内側なら税がかからず、外側の部分は課税の対象になります。雑所得・退職所得は、給料とは別の区分の所得を指します。
ここから読み取れるのは、交通費の上限が税の都合で決まるとは限らないことです。確認した3社のページには、上限を設ける理由も、税の扱いも書かれていませんでした。税の話は、条文と通達の枠組みを知っておく、という位置づけです。
明細で見る。課税の欄か、非課税の欄か
条文が非課税にしているのは「転居のための旅行」の旅費です。寮に入って働く赴任が、この「転居」にあたるかどうかは、この記事の出典では確かめられません。実際の扱いは、支払う会社がどう処理したかとして、給与明細に表れます。
派遣なら、給料と旅費を払うのは雇用主である派遣会社(派遣元)です。確かめる手がかりは給与明細で、課税の支給の欄に入っているのか、非課税の欄に入っているのかを見られます。明細の読み方は手取りの記事で、項目の並びを説明しています。
交通費が明細のどの欄に入るかは、受け取ってから確かめることができます。分からないときは、雇用主に項目の意味を聞きます。応募前に気になるなら、「交通費は給与明細のどの欄に入りますか」と担当者に聞けます。
この項目は、聞いて答えが得られなくても、応募の判断を左右するほどのものではありません。
通勤手当のほうは、マイカーや自転車で通勤する人について、国税庁のタックスアンサーが、片道の通勤距離や駐車場の有無で区分した月ごとの限度額まで非課税で、超える部分は給与として課税されると案内しています。限度額は法令の改正で動くので、ここでは額を書きません。
満了前に辞めたとき、支払われないとき
働き終える前に辞めると、交通費は出ないことがあります。リゾートバイト.comは、期間中の途中退職では支給できない場合があると案内しています。
ダイブのコラムも、途中退職は往路・復路とも自己負担になるとしています。
ただし、明示された労働条件と実際が違っていたことを理由に契約を解除した場合は、別の根拠で帰りの旅費が使用者の負担になることがあります。労働基準法第15条の話で、途中で辞めたいときの記事に条文から整理しました。
辞める理由が条件の相違なら、そのことを先に伝えてください。
1〜2週間の短期では、立替えが手取りに占める割合が大きくなります。短期の条件は短期の記事に書きました。
書面に支給すると書かれているのに、満了しても払われないときは、都道府県労働局や労働基準監督署内の総合労働相談コーナーに相談できます。厚生労働省の案内では、利用は無料で予約は不要です。
派遣なら、まず派遣元の担当者に、書面のどの記述との食い違いかを示して聞きます。
荷物を先に送るかどうかも、赴任の費用に入ります。先に送れるか、送るときのルールは勤務先ごとに違います。確認の項目は荷物を送る方法の記事にあります。
この記事で参照した情報
- e-Gov法令検索:所得税法(第9条第1項第4号・第5号 非課税所得) ↗最終確認:2026/10/11
- 国税庁:所得税基本通達(第9条関係 非課税所得 9-3・9-4) ↗最終確認:2026/10/11
- 国税庁 タックスアンサー No.2585 マイカー・自転車通勤者の通勤手当 ↗最終確認:2026/10/11
- 厚生労働省:総合労働相談コーナーのご案内 ↗最終確認:2026/10/11
- リゾバ.com リゾートバイトでよくある質問(勤務地までの交通費) ↗最終確認:2026/10/11
- リゾートバイト.com よくある質問(勤務地までの交通費) ↗最終確認:2026/10/11
- アルファリゾート よくある質問(交通費・所持金) ↗最終確認:2026/10/11
- リゾートバイトダイブ:途中退職したらどうなる?発生するペナルティ ↗最終確認:2026/10/11
法令や各社の案内は改定されることがあります。労働条件は求人ごとに異なるため、実際の条件は応募先から示される書面と公式の案内でご確認ください。