1週間の契約でも、労働条件は書面で受け取ります。変わるのはお金と保険の扱いです。確認した2社では交通費も給料も働き終えたあとに支払われ、短い契約でその先も使われる見込みがなければ、健康保険・雇用保険の対象外になる規定があります。延長の見込みがあるときや延長が決まったときは、保険の扱いを雇用主に聞きます。
短期の求人は繁忙期に増え、休日がないこともある
1週間や2週間だけ働ける求人は、あります。ただし一年中まんべんなく出ているわけではありません。
リゾバ.comのよくある質問では、求人は1〜3か月程度のものが中心で、GW・年末年始・夏休みなどの繁忙期に短期の求人が増える傾向にある、と案内しています。同社によると、最短2〜3日(土日祝のみ)から働ける求人もあります。リゾートバイト.comも、働く期間の検索区分に「1週間未満」「1週間〜2週間」を設けています。
短期で見落としやすいのが休日です。リゾバ.comの案内では、土日祝のみや数日間の短期勤務だと休日がない場合もあるとされています。休みのない日程が続くかどうかは、応募の時点で聞いておく項目です。休み希望をいつ、誰に伝えるかは休み希望とシフトの決まり方の記事にまとめました。
期間の区分が会社ごとにどう違うかは、はじめてのリゾートバイトで扱っています。
1週間でも、労働条件は書面で受け取る
契約が短いから、口約束で済む。そうはなりません。
労働基準法第15条第1項は、使用者が労働契約の締結に際して、賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならないと定めています。期間の長さによる例外は書かれていません。明示の方法は労働基準法施行規則第5条にあり、次の事項は書面を交付して示すのが原則です(本人が希望すれば、FAXや電子メールなどでも可)。
- 労働契約の期間
- 更新する場合がある契約なら、更新の基準(更新の上限があれば、その上限も)
- 就業の場所と、従事する業務(変更の範囲を含む)
- 始業・終業の時刻、所定時間外労働の有無、休憩、休日、休暇
- 賃金の決定・計算・支払の方法、賃金の締切りと支払の時期
- 退職に関する事項
短期で特に見るのは、上の2つと「賃金の締切りと支払の時期」の3か所です。延長の話が出たとき、更新の基準の欄が判断の出発点になります。支払の時期は、次の次の節で書く「給料がいつ入るか」に直結します。
書面の欄ごとの読み方は応募前のチェックリストにまとめました。
交通費は、満了が条件になっていることがある
赴任と帰りの交通費は、期間が短いほど手取りに占める割合が大きくなります。支給の条件を、2社の案内で比べます。
| 会社 | 同社の案内 |
|---|---|
| リゾバ.com | 交通費は支給する。支給額には上限がある。最終給与とあわせて支払う |
| リゾートバイト.com | 上限はあるが支給する。勤務満了後に最後の給与と合わせて支払う。途中退職の場合は支給できない場合がある |
2社とも、交通費を受け取るのは働き終えたあとです。往路の交通費を立て替えることになるかは、応募の時点で確かめておきたい点です。
上限額と、帰りの分も含むかどうかは求人ごとに違うため、応募先に聞いてください。経路の指定など、交通費で確かめる項目は勤務地の選び方に並べています。
期間の途中で辞めた場合の交通費の扱いは、途中で辞めたいときの記事で扱っています。上限の聞き方と旅費の非課税の枠は、交通費の記事にまとめました。
給料が入るのは、働き終えた翌月
1週間働いて、帰る日に給料を受け取れると考えがちです。確認した2社の案内では、そうなっていません。
リゾバ.comの案内では、支払日は勤務先の締め日に応じて翌月10日または20日です。リゾートバイト.comの案内でも、派遣求人は締め日の翌月の支払日に登録口座へ振り込まれます。どちらも、帰ってから数週間後に入金されると見ておく必要があります。
直接雇用の求人は、施設ごとに規定が違うとリゾートバイト.comは案内しています。書面の「賃金の締切りと支払の時期」の欄で確かめてください。
途中でお金が要る場合に使えるのが前払いです。リゾバ.comは勤務した分の一部を実働1日以上から前払いできるとし、リゾートバイト.comは同社雇用の派遣求人で前払いに対応可能としています。条件の細部は、どちらもマイページ等で確認する形です。
前払いした分が給料日にどう差し引かれるか、会社の前払いとは別に法律で請求できる非常時払は、給料はいつ入るかの記事で扱っています。
派遣と直接雇用で給与の支払元が変わる点は、直接雇用と派遣の違いにまとめています。
社会保険と雇用保険は、期間で外れることがある
長期の求人でよく見る「社会保険完備」。短期では、健康保険や雇用保険の加入の対象にならないことがあります。
健康保険法第3条第1項のただし書は、臨時に使用される者のうち、日々雇い入れられる者と、一定期間以内の期間を定めて使用される者で定めた期間を超えて使用されることが見込まれないものを、被保険者から外しています。
季節的業務に使用される者も、一定の期間を超えて使用されるべき場合を除いて外れます。雇用保険法第6条も、同じ事業主に継続して一定日数以上雇用される見込みのない者には、この法律を適用しないと定めています。
どちらも、見るのは契約の期間だけではありません。その先も使われる見込みがあるかどうかです。
区切りの期間は、このサイトでは書きません。保険の適用要件は法改正で動く数字だからです。
手順は2つあります。応募のときは、書面の更新の有無と更新の基準の欄を見て、延長の見込みがあるなら加入の扱いを雇用主に聞く。
働き始めてから延長が決まったときも、加入の扱いが変わるかを聞きます。健康保険法の除外は、定めた期間を超えて引き続き使用されるに至った場合にも外れるためです。
雇用主の健康保険に入らない場合、医療機関にかかるときは自分がいま加入している健康保険を使うことになります。何を持って行くかは持ち物の準備に書きました。
雇用主の健康保険に入らない場合でも、家族の扶養のままでいられるかは、家族の健康保険が収入の見込みで判定します。加入する場合は、扶養から外れます。扶養の記事で扱っています。
本業のある社会人は、もう1点あります。リゾバ.comの案内では、雇用保険は1か所でしか加入できないため、今の会社で加入している場合は同社では非加入で相談する、としています。加入の窓口と手続きの流れは社会保険と有給の記事で扱っています。終わったあとの失業保険は失業保険の記事で扱っています。
有給は付かない
年次有給休暇は、短期の1回では付与されません。
労働基準法第39条第1項は、雇入れの日から6か月間継続勤務し、全労働日の8割以上出勤した労働者に、10労働日の有給休暇を与えるよう定めています。1〜2週間の契約は、この継続勤務の要件に届きません。
話が変わるのは、延長やリピートで同じ雇用主のもとで働き続ける場合です。前の契約から勤続が通算されるかを、雇用主に聞いてください。有給の継続勤務と無期転換の通算の数え方は、延長とリピートの記事にまとめました。付いた有給の使い方は有給を使うときの記事にあります。
解雇予告の規定が外れても、期間中の打ち切りは制限される
「人が足りたので、明日で終わりにしてほしい」。短期の契約で、そう言われる場面を考えます。
まず、解雇予告の規定です。労働基準法第20条は、解雇するときは少なくとも30日前に予告するか、30日分以上の平均賃金を支払うよう定めています。
ところが第21条は、日日雇い入れられる者、2か月以内の期間を定めて使用される者、季節的業務に4か月以内の期間を定めて使用される者などに、第20条を適用しないとしています。2か月以内の契約と季節的業務の契約は、所定の期間を超えて引き続き使用されるに至ると、この除外が外れます。
予告の規定が外れても、期間中の解雇が自由になるわけではありません。労働契約法第17条第1項は、期間の定めのある労働契約について、やむを得ない事由がなければ、期間が満了するまで解雇できないと定めています。
打ち切りを告げられたら、理由と、残りの期間の扱いを雇用主に確認してください。話がまとまらなければ、総合労働相談コーナーに相談できます。
厚生労働省の案内では解雇も相談の対象で、予約不要・無料。土日祝日と年末年始は閉庁しています。所在地は厚生労働省の案内ページに都道府県別に載っています。
無断欠勤を理由に打ち切られた場合や、派遣先の都合で打ち切られた場合の予告と認定は、無断欠勤・クビの記事に書きました。
源泉徴収票は、勤務先ごとに受け取って保管する
短期は、働いた期間より書類を待つ期間のほうが長くなることがあります。その1つが源泉徴収票です。
所得税法第226条第1項は、年の途中で退職した人には、退職の日以後1か月以内に源泉徴収票を交付するよう定めています。一方、各社の受け取り方は同じではありません。
| 会社 | 源泉徴収票の受け取り方(同社の案内) |
|---|---|
| リゾバ.com | マイページの「給与明細照会」から申請する |
| リゾートバイトダイブ | 毎年12月下旬以降にマイページに反映。12月より前に欲しい場合は公式LINEで問い合わせる |
年末調整の扱いも、長期とは違ってきます。国税庁のタックスアンサー(No.2665)は、年の中途で退職した人は、列挙された一部の例外を除いて年末調整の対象とならないとしています。自分が例外に当たるかは、同じページで確かめられます。
短期の勤務先ごとに源泉徴収票を受け取り、保管しておく。年に何か所かで働く人ほど、これが効いてきます。次の勤務先の年末調整に出すか、自分で還付申告に使うかは、確定申告と年末調整の記事で扱っています。
短期の給料で所得税がどの欄で引かれるか、延長したときに欄が変わる話は手取りの記事にまとめました。
働いた期間の証明が要る場合は、退職証明書を求められます。労働基準法第22条第1項は、退職の際に労働者が使用期間や業務の種類などの証明書を請求したら、使用者は遅滞なく交付しなければならないと定めています。
この記事で参照した情報
- e-Gov法令検索:労働基準法(第15条・第20条〜第22条・第39条) ↗最終確認:2026/09/26
- e-Gov法令検索:労働基準法施行規則(第5条 労働条件の明示) ↗最終確認:2026/09/26
- e-Gov法令検索:労働契約法(第17条) ↗最終確認:2026/09/26
- e-Gov法令検索:健康保険法(第3条) ↗最終確認:2026/09/26
- e-Gov法令検索:雇用保険法(第6条) ↗最終確認:2026/09/26
- e-Gov法令検索:所得税法(第226条 源泉徴収票) ↗最終確認:2026/09/26
- 国税庁 タックスアンサー No.2665 年末調整の対象となる人 ↗最終確認:2026/09/26
- 厚生労働省:総合労働相談コーナーのご案内 ↗最終確認:2026/09/26
- リゾバ.com リゾートバイトでよくある質問(期間・給料・交通費・休日・社会保険・源泉徴収票) ↗最終確認:2026/09/26
- リゾートバイト.com よくある質問(交通費・給与・前払い) ↗最終確認:2026/09/26
- リゾートバイトダイブ よくある質問:源泉徴収票について ↗最終確認:2026/09/26
法令や各社の案内は改定されることがあります。労働条件は求人ごとに異なるため、実際の条件は応募先から示される書面と公式の案内でご確認ください。