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お金・契約

リゾートバイトを途中で辞めたいとき。契約と帰りの旅費

リゾートバイトを途中で辞めたいときは、まず契約に期間の定めがあるかを見ます。条件が違っていた場合の即時解除と帰郷旅費(労働基準法第15条)、罰金の約束の禁止、相談の順番まで整理しました。

この記事のポイント

期間の決まった契約は、やむを得ない事由がないと一方的には辞めにくい形です。ただし明示された条件と実際が違っていたなら即時に解除でき、住居を移していて解除から14日以内に帰郷するなら、帰りの旅費は使用者の負担です。まず雇用主に、条件の違いを示して相談します。

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最初に、契約に期間があるかを見る

「辞めたい」と思ったとき、最初に確かめるのは気持ちの強さではありません。自分の労働契約に、期間の定めがあるかどうかです。ここで使える条文が変わります。

民法第627条は、雇用の期間を定めなかった場合の条文です。各当事者はいつでも解約の申入れができ、雇用は申入れの日から2週間を経過すると終了します。よく聞く「2週間前に言えば辞められる」は、この条文の話です。

契約の書面に「〇月〇日から〇月〇日まで」と期間が書かれているなら、働くのは民法第628条です。期間を定めた場合でも、やむを得ない事由があるときは直ちに契約を解除できると書かれています。裏を返せば、事由がないまま一方的に辞める根拠にはなりにくい、ということです。

何がやむを得ない事由に当たるか、条文は例を挙げていません。リゾートバイトダイブのコラムでは、急な体調不良や怪我、介護などの家庭の事情、現場での深刻なトラブルやハラスメントを、考慮される事情の例に挙げています。自分の事情が当たるか迷うなら、この記事の最後に書いた相談先で聞けます。

労働基準法第137条は、契約期間が1年を超える労働契約について、初日から1年を経過した日以後は使用者に申し出ればいつでも退職できると定めています。一定の事業の完了に必要な期間を定めた契約などは除かれ、数か月単位の契約には当たりません。

契約の形 使う条文 書かれていること
期間の定めがない 民法第627条 申入れから2週間で終了
期間の定めがある 民法第628条 やむを得ない事由があれば直ちに解除
期間が1年を超える(一部除外あり) 労働基準法第137条 初日から1年経過後は、申し出ればいつでも退職できる

途中で辞めたいときに、期間の定め、条件の相違、やむを得ない事由の順に確かめる流れを示した図

どれにも当たらず、単に「合わない」という場合でも、道が閉じているわけではありません。期間を縮める相談から入る方法を、後の節で書いています。誰と契約を結んでいるかははじめてのリゾートバイトで確かめられます。

条件が明示と違っていたなら、即時に解除できる

期間のある契約でも、例外がはっきり書かれた条文があります。労働基準法第15条第2項です。

使用者、つまり自分を雇っている会社は、契約の締結に際して賃金や労働時間などの労働条件を明示しなければなりません(同条第1項)。派遣なら派遣会社、施設に直接雇われているならその施設の運営会社です。

そのうえで第2項は、明示された労働条件が事実と相違する場合、労働者は即時に労働契約を解除することができると定めています。比べるのは、明示された条件(主に契約のときの書面)と、現場の実態です。

  • 書面の時給と、給与明細の時給
  • 書面の始業・終業の時刻や休日と、実際のシフト
  • 書面の業務の内容と、実際に任されている仕事

「聞いていた話と違う」だけでは、何が違うのかが相手に伝わりません。書面のどの欄と何が違うのかまで言えると、相談の出発点になります。

書面が手元にないなら、まず雇用主に写しを求めます。解除を伝えるときは、電話だけで済ませずメールなど記録が残る形でも送っておくと、いつ伝えたかが後で確かめられます。書面の読み方は応募前のチェックリストにまとめました。

条件の相違で解除したなら、帰りの旅費は使用者の負担

第15条には第3項があります。対象は、前項の場合、つまり条件の相違を理由に解除した場合です。

就業のために住居を変更した労働者が、契約解除の日から14日以内に帰郷するなら、使用者は必要な旅費を負担しなければならないと定められています。寮に移って働いた場合は、この「住居を変更した」に当たるかを確かめる価値があります。

派遣で働く場合、旅費を求める相手は派遣会社になると読めます。労働者派遣法第44条は、労働基準法のうち派遣先に適用する規定を列挙していますが、第15条はそこに含まれていないためです。

各社の案内には、途中退職と交通費の関係が書かれています。

会社 同社の案内
リゾートバイト.com 交通費は上限つきで、勤務満了後に最後の給与と合わせて支払う。途中退職した場合は支給できない場合がある
リゾートバイトダイブ 同社のコラムでは、多くの派遣会社が期間満了を交通費支給の条件にしており、途中退職では往路・復路とも自己負担になると説明している

各社の案内は、退職の理由を分けて書いていません。条件の相違を理由にした解除の帰郷旅費は、労働基準法第15条第3項という別の根拠から出てきます。辞める理由が条件の相違なら、そのことを先に伝えてください。

1〜2週間で満了する短期の求人で、交通費と給料がいつ入るかは短期1週間・2週間の記事で扱っています。交通費の上限や、応募前に聞く項目は交通費の記事にまとめました。

「辞めたら罰金」は契約にできない

「途中で辞めたら違約金〇万円」。そう言われたときに見る条文があります。

労働基準法第16条は、使用者が労働契約の不履行について違約金を定めたり、損害賠償額を予定したりする契約を禁じています。あらかじめ金額を決めて払わせる約束は、結べないということです。

一方で、損害賠償がまったく起きないわけではありません。民法第628条の後段は、やむを得ない事由が当事者の一方の過失で生じたときは、相手方に損害賠償の責任を負うとしています。

厚生労働省の「確かめよう労働条件」のQ&Aは、期間の定めのある契約を途中で辞めた場合について、使用者に損害が生じたか、それが退職によるものかを検討して判断されると説明しています。辞めたから当然に賠償、という扱いではありません。

辞めると決める前に、雇用主に話す

辞めたい理由が人間関係やハラスメントなら、派遣先も相談を受ける側になります。誰にどう伝えるか、相談したことで不利益に扱われないかは、人間関係の記事に条文つきで書きました。

最初に連絡する相手は、現場の上司ではなく雇用主です。派遣なら派遣会社の担当者、直接雇用なら勤務先の採用や人事の担当者になります。

リゾバ.comのよくある質問では、途中でやめたい場合はまず同社の担当者に相談し、言いにくい場合は問い合わせフォームから連絡するよう案内しています。リゾートバイトダイブのコラムでも、職場のリーダーより先に派遣会社の担当者へ相談することを勧めています。

同社のコラムは、辞める以外の選択肢も挙げています。ポジションの変更、勤務時間やシフトの調整、契約期間を短くして合意の上で満了として扱ってもらう相談です。条件の相違ではなく「合わない」が理由なら、期間を縮める相談から始めるほうが、交通費や手当の扱いを話し合える余地が残ります。

連絡の前に、手元にそろえておくものがあります。

  • 契約のときに受け取った書面(派遣なら就業条件を明示した書面も)
  • 給与明細やシフト表など、実際の条件が分かるもの
  • 辞めたい理由を1〜2文にしたメモ

通常は、連絡をしないまま寮を出るのは避けてください。給与の精算や荷物の扱いを、話し合いなしで決めることになります。

連絡しないまま休んだ場合に、雇用主の側からどんな手続きが取られうるかは、無断欠勤・クビの記事にまとめました。

ただし、暴力やハラスメントで身の危険を感じる、体調が限界に来ているといった場面は別です。その場を離れること、警察や医療機関に助けを求めることを先にし、雇用主への連絡はそのあとで構いません。

派遣と直接雇用で雇用主が誰になるかは、直接雇用と派遣の違いで整理しています。

辞めるときに受け取るもの

途中で辞めても、働いた分の賃金はなくなりません。

労働基準法第23条は、退職の場合に本人から請求があれば、使用者は7日以内に賃金を支払い、積立金や保証金など労働者の権利に属する金品を返還しなければならないと定めています。請求すれば7日以内、という形です。

雇用保険に加入していたなら離職票も関わります。リゾバ.comのよくある質問では、継続して勤務した期間が一定より短い場合は、離職票の発行に申請が必要だと案内しています。

自分が申請の対象かは、辞める連絡のときに担当者に聞き、送り先の住所も一緒に伝えてください。離職票の役割と、受け取るものと返すものの一覧は社会保険と有給の記事に載せています。離職票を受け取ったあとの失業保険の手続きは失業保険の記事にあります。

話がまとまらないときの相談先

雇用主と話しても、条件の相違を認めてもらえないことがあります。旅費や賃金の精算で話が止まったときは、外の窓口を使います。

総合労働相談コーナーは、都道府県労働局や全国の労働基準監督署内などに設置されています。厚生労働省の案内では、あらゆる分野の労働問題を対象とし、専門の相談員が面談か電話で対応します。予約不要で、利用は無料です。

土・日・祝日と年末年始は閉庁しています。各コーナーの所在地と電話番号は、厚生労働省の案内ページに都道府県別に載っています。

労働基準法などに違反する疑いがある場合は、労働基準監督署など行政指導の権限を持つ部署に取り次ぐとされています。相談には、条件を明示した書面と、実態が分かる明細やシフト表を用意します。

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