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お金・契約

リゾートバイトの直接雇用と派遣の違い。雇用主で変わること

リゾートバイトの求人は、派遣と直接雇用(職業紹介)で雇用主が変わります。給与・保険・有給の窓口、派遣先と派遣元の責任の分担(労働者派遣法第44条)、短期の日雇派遣の制限、マージン率の公開まで、条文と各社の案内で整理しました。

この記事のポイント

求人票の雇用形態が「派遣」なら雇用主は紹介会社、「職業紹介(直接雇用)」なら施設です。給与・保険・有給の窓口は雇用主で、派遣でも労働時間・休憩・休日は派遣先が責任を負います。直接雇用では派遣元がいないので、前払いの有無や相談の窓口を施設に確かめます。

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求人票の「雇用形態」欄で、雇用主が分かる

同じ紹介サービスで探した求人でも、雇い主が同じとは限りません。

リゾバ.comの求人ページには「雇用形態」の欄があります。2026年9月28日に同社の「1週間前後」の求人一覧を開き、該当した15件すべてを見ると、値は「派遣」か「職業紹介(就業先の直接雇用)」のどちらかで、派遣が13件、職業紹介が2件でした。短期だから直接雇用、という決まった対応はありません。

2つの違いは、雇用契約を結ぶ相手です。

  • 派遣:紹介会社(派遣元)が自分を雇い、施設(派遣先)へ送り出す。労働者派遣法第2条第1号の「労働者派遣」にあたる
  • 職業紹介(直接雇用):紹介会社は施設と自分の間で雇用関係が成り立つよう取り持つだけで、雇うのは施設。職業安定法第4条第1項は、職業紹介を「雇用関係の成立をあつせんすること」と定めている

派遣では紹介会社が雇用主、直接雇用では施設が雇用主になり、給与・保険・仕事の指示の窓口が変わることを示した図

リゾートバイトダイブのコラムは同じ形を「紹介」と表記し、勤務先の直接雇用で、雇用契約は勤務先と結ぶと説明しています。リゾバ.comの「職業紹介(就業先の直接雇用)」と同じく、施設に直接雇われる形です。

雇用主が変わると、給与・保険・有給の窓口が変わる

雇用主が決まると、お金と手続きの窓口がほぼ全部決まります。左の列の項目を、自分の求人がどちらに当たるかで読み替えてください。

項目 派遣 直接雇用
労働契約を結ぶ相手 派遣元 施設
賃金を支払う 派遣元 施設
社会保険・労働保険の手続き 派遣元 施設
年次有給休暇を付与する 派遣元 施設
休業手当を支払う 派遣元 施設
仕事の指揮命令 派遣先(施設) 施設

この対応は、厚生労働省のパンフレット「派遣で働くときに特に知っておきたいこと」の表と同じです。同じパンフレットは、労働基準法などの責務は一部を派遣先が負うものの、基本的には雇用主である派遣元が負うと説明しています。

各社の制度が使えるかどうかも、この線で分かれます。

  • リゾートバイトダイブのコラムでは、紹介で働く場合、給与は勤務先から振り込まれ、源泉徴収票も勤務先に依頼し、派遣会社独自の前借制度は利用できないと案内している
  • リゾートバイト.comのよくある質問では、給与の前払いに対応するのは同社雇用の派遣求人で、直接雇用の締め日・支払日は施設ごとに規定が違うと案内している

確認した2社では、前払いなどの制度は、その会社に雇われた派遣の人が対象でした。直接雇用の求人で使えるかは、応募する会社に確かめてから赴任の資金計画を立ててください。

前払いの仕組みは給料はいつ入るかに書きました。保険の加入の確かめ方は、社会保険と有給の記事へ。

派遣でも、労働時間と休憩・休日は派遣先が責任を負う

派遣の場合、労働基準法の責任は派遣元と派遣先で分けて負う仕組みです。どこで線を引くかは、労働者派遣法第44条が条文で決めています。

同条第2項は、派遣中の労働者について、次の規定は派遣先の事業だけを使用者とみなして適用すると定めています。

  • 労働時間(労働基準法第32条)
  • 休憩(第34条)
  • 休日(第35条)
  • 時間外・休日労働(第36条第1項)
  • 18歳未満の労働時間・深夜業などの制限(第60条〜第63条)

列挙に入っていない規定もあります。労働条件の明示(第15条)、賃金の支払(第24条)、非常時払(第25条)、割増賃金(第37条)、年次有給休暇(第39条)。これらは雇用主である派遣元が負います。時間外労働の協定(いわゆる36協定)も、同項の読み替えにより派遣元の事業場で結ぶ形になっています。

現場に当てはめると、時間の管理は派遣先、お金の支払いは派遣元という分担です。休憩が取れない、休日に呼び出されるといった問題は派遣先にも責任があります。割増賃金が付いていない、給料の額が違うといった問題は、派遣元に伝える話です。

もう1つ、派遣先に義務づけられていることがあります。根拠は労働者派遣法第40条第3項と同法施行規則第32条の3。派遣先は、自社の社員が使う給食施設・休憩室・更衣室の利用の機会を、派遣労働者にも与えなければなりません。社員食堂や休憩室を派遣だけ使えない、という扱いは認められていません。

派遣元から受け取る「就業条件の明示」の書面は、はじめてのリゾートバイトで欄ごとに読み方を書いています。

18歳未満にかかる深夜業や時間外労働の制限は、高校生のリゾートバイトの記事で扱っています。

休み希望をどちらに出すか、確定したシフトを変えるときの扱いは、休み希望とシフトの決まり方の記事に書きました。

健康診断も、派遣では分担があります。一般の健診は派遣元が行う、と条文から読める点は健康診断の記事にあります。

別の仕事を掛け持ちするときの労働時間の通算は、副業・掛け持ちの記事にまとめました。

応募と面接の流れも、雇用形態で違う

派遣の場合、施設が面接で人を選ぶことは、本来の流れではありません。

労働者派遣法第26条第6項は、派遣先になろうとする者に、派遣労働者を特定することを目的とする行為をしないよう努めることを求めています(紹介予定派遣は除く)。厚生労働省のパンフレットはこれを、派遣開始前に面接を行うこと、履歴書を送付させることは禁止されていると説明しています。例外は、紹介予定派遣の場合と、本人が希望する場合です。

派遣と直接雇用で、履歴書の要否と職歴の書き方がどう変わるかは、履歴書の記事にあります。

リゾートバイト.comの案内も、この違いに沿った形です。リゾートバイト.comのよくある質問では、面接は同社の担当者が電話で10〜15分ほど行う、というのが同社の案内です。直接雇用の求人では、働く施設の担当者との電話またはオンライン面接が追加される場合がある、とも書かれています。

直接雇用の求人でも、紹介会社には守ることがあります。職業安定法第5条の3第1項は、職業紹介事業者に、求職者へ業務の内容や賃金、労働時間などの労働条件を明示するよう求めています。同条第3項は、紹介のときに示された条件を施設が変えて契約する場合、変更する内容を明示しなければならないと定めています。

応募前に見る求人票と、契約のときに受け取る書面の違いは、応募前に確認することにまとめています。

紹介のときに聞いた条件と、施設と結ぶ契約の条件は、並べて照らし合わせます。違っていたら、署名の前にどちらが正しいかを確認してください。

なお、紹介予定派遣は、派遣として働き始め、のちに派遣先の直接雇用に切り替わることを予定した働き方(労働者派遣法第2条第4号)。求人票にこの言葉があれば、切り替わったあとの雇用形態も先に聞いておきましょう。

紹介会社の電話の面接で聞かれる項目は、面接で聞かれることにまとめています。

短い期間の派遣には、法律の制限がある

期間の短い求人では、派遣という形そのものに制限がかかります。

労働者派遣法第35条の4は、日々または条文が定める短い期間を定めて雇われる人(日雇労働者)の派遣を、原則として禁止しています。例外には、政令で決まった業務(労働者派遣法施行令第4条第1項)と、働く人の条件(同条第2項)の2種類があります。リゾートバイトで関係しやすいのは後者で、派遣元が雇用管理上の措置を講じていることを前提に、次のいずれかに当たる場合です。

  • 一定の年齢以上の人
  • 昼間の学校の学生・生徒(定時制の課程などは除く)
  • 本人の年収、または主に家族の収入で生計を立てている人なら世帯の年収が、省令の額以上ある人

年齢と収入の線は、施行令と省令(同法施行規則第28条の3)で数字が決まっています。改正で動く線なので、ここでは条文名まで。

先ほど見たとおり、リゾバ.comの1週間前後の求人にも、派遣と職業紹介の両方があります。期間の短い求人に応募するときは、雇用形態の欄を先に見ます。派遣と書かれていれば、自分の年齢や在学の状況でその形で働けるかを紹介会社の担当者に聞き、職業紹介なら雇用主は施設になります。

短期で働くときの交通費や保険の扱いは、短期1週間・2週間の記事にまとめました。

派遣会社のマージン率は、公開されている

派遣では、施設が派遣元へ払う料金と、派遣元が自分に払う賃金の間に差があります。その割合がマージン率です。

労働者派遣法第23条第5項は、派遣元に、事業所ごとの派遣労働者の数、料金の平均額から賃金の平均額を引いた額を、料金の平均額で割った割合(マージン率)、教育訓練などの情報を提供するよう義務づけています。厚生労働省のページは、派遣元のホームページや同省の人材サービス総合サイトで確認するよう案内しています。

確認した2社は、どちらも自社サイトで公開していました。2社の数字は集計の単位が違い、比べるためのものではありません。

会社 公表の形と内容(同社の公表資料)
ヒューマニック(リゾバ.com) 支店ごとにPDFで公開。新宿支店の欄のPDF(東京本社、令和6年度)では、1日8時間換算で料金の平均額14,545円、賃金の平均額9,883円、割合32.1%。マージンには社会保険料、教育訓練、有給休暇、派遣先までの旅費交通費などの運営経費を含むと注記
リゾートバイトダイブ 事業所ごとに1つのPDFで公開(対象期間は2023年7月〜2024年6月)。割合は札幌オフィスの29.0%から大阪オフィスの31.3%まで。マージンには社会保険料の事業主負担、有給休暇や健康診断などの福利厚生費、会社運営費、営業利益を含むと記載

ここで読み違えやすいのは、割合の大小の意味です。厚生労働省のページは、マージンには社会保険料や教育訓練費なども含まれるため、マージン率は低いほどよいというわけではないと明記し、ほかの情報と組み合わせて評価するよう求めています。

2社の公表資料には、労働者派遣法第30条の4の労使協定の欄があり、対象はどちらも全ての派遣労働者です。記載の有効期間は、ヒューマニックが令和9年3月末まで、ダイブが2026年3月末まで(2026年9月28日時点の資料)。

この方式では、派遣労働者の賃金は、派遣先の社員との比較ではなく、協定で定めた方法で決まります。同法第31条の2は、派遣労働者として雇う前に、賃金の見込みなどの待遇を説明するよう派遣元に求めています。

直接雇用には、この差はありません。紹介会社が施設から手数料を受け取ることはありますが、職業安定法第32条の3第2項は、有料職業紹介事業者が求職者から手数料を取ることを原則として禁じています。

直接雇用で、応募の前に確かめること

直接雇用では、自分と施設の間に派遣元がいません。派遣なら派遣元が引き受けている役割を、施設が担うか、誰も担わないかのどちらかになります。

労働条件の明示は、雇用主である施設が行います(労働基準法第15条第1項)。一方、労働者派遣法第34条による「就業条件の明示」は派遣のための書面なので、直接雇用では受け取りません。あの書面に書かれる「苦情の処理・申出先」も、自分で聞いておく必要があります。

応募の前に聞いておくことを並べます。右の列は、そのまま質問の文にして使えます。

項目 聞き方
給料日 締め日と支払日はいつか。最初の入金はいつになるか
前払い 施設に前払いや非常時払の手続きはあるか。紹介会社の制度は使えないか
保険 社会保険・雇用保険に加入するか。手続きをするのはどこか
書類 源泉徴収票や離職票はどこから、いつ届くか
困ったとき 働いている間に相談する窓口は施設の誰か。紹介会社に相談してよいか

表の最後の行は、直接雇用で空欄になりやすい項目です。派遣なら書面で示される内容なので、直接雇用では自分から聞いて控えておきます。源泉徴収票を年末調整や確定申告でどう使うかは、確定申告と年末調整の記事に書きました。

もう1点、辞めたあとに効いてくる決まりがあります。労働者派遣法第40条の9と第35条の5により、施設に直接雇われて辞めた人は、離職の日から法律が定める期間が過ぎるまで、その施設へ派遣で戻れません(省令が定める一部の人を除く)。

派遣で働いた施設に、また派遣で行く場合は別です。厚生労働省のパンフレットは、これはこの禁止に当たらないと説明しています。同じ施設で繰り返し働くつもりなら、次も直接雇用になるかを確かめておきましょう。

困ったときの相談先は、雇用形態で変わる

相談の順番は、書面に書かれた担当者から始めます。

派遣の場合、派遣元と派遣先のそれぞれに苦情の申出先がいます。労働者派遣法第40条第1項は、派遣先が派遣労働者から苦情の申出を受けたとき、その内容を派遣元に通知し、派遣元と連携して処理するよう定めています。現場で言っても、派遣元へ伝わる仕組みです。

直接雇用の場合は、施設の人事や採用の担当者が最初の窓口になります。

社内で話がまとまらないときの外の窓口は2つあります。

  • 派遣の仕組みに関わる問題(就業条件の明示がない、派遣先の事前面接など):都道府県労働局の派遣を担当する課室(多くは需給調整事業課・室)。厚生労働省のパンフレットに、各労働局の課室名と電話番号が載っている
  • 労働条件のトラブル全般(賃金、解雇、パワハラなど):総合労働相談コーナー。予約不要で、利用は無料。派遣でも直接雇用でも使える

仕事中の怪我で相談するときの流れは、労災の記事にまとめました。

相談するときは、労働条件の書面と、派遣なら就業条件の書面を手元に置いてください。途中で辞めたくなったときの手順は、途中で辞めたいときの記事にまとめています。

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法令や各社の案内は改定されることがあります。労働条件は求人ごとに異なるため、実際の条件は応募先から示される書面と公式の案内でご確認ください。

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