給料日は書面の「賃金の締切り及び支払の時期」で決まり、確認した2社の派遣求人では締め日の翌月の支払日に入り、最初の入金まで40〜50日ほどかかることがあります。前払い・日払いは会社や求人ごとの制度で、前払いで受け取った分は給料日の振込額から差し引かれます。出産・病気・やむを得ない1週間以上の帰郷などの非常の場合は、支払日前でも働いた分の賃金を請求できます。
給料日は、締め日と支払日の組み合わせで決まる
給料がいつ入るかは、会社の気分では決まりません。契約のときに書面で示される条件の1つです。
使う言葉を2つ先に決めておきます。締め日は、そこまでに働いた分をまとめて計算する区切りの日。支払日は、その分が口座に入る日です。
労働基準法第24条第2項は、賃金は毎月1回以上、一定の期日を定めて支払わなければならないと定めています。そのうえで、労働基準法施行規則第5条第1項第3号は、賃金の締切り及び支払の時期を、契約の締結時に明示する事項に挙げています。明示は書面の交付が原則です。
締め日と支払日は、会社や求人で違います。確認した2社の案内を並べます。
| 会社 | 締め日と支払日(同社の案内) |
|---|---|
| リゾバ.com | 勤務先の締め日に応じて支払日が決まる。20日締めの勤務先は翌月10日払い、末日締めの勤務先は翌月20日払い |
| リゾートバイト.com | 派遣求人は、締め日の翌月の支払日に登録口座へ。締め日・支払日は20日か月末。詳細は面接後に反映される求人資料で確認 |
紹介サービス経由の求人には、紹介会社に雇われて施設で働く派遣と、施設に直接雇われる直接雇用があります。どちらかは、労働条件の書面で雇用主が誰になっているかで分かります。リゾートバイト.comは、直接雇用の求人は施設ごとに規定が異なると案内しています。
書面のほかの欄の読み方は応募前のチェックリストにまとめました。
最初の入金まで、1か月以上あくことがある
働いた月のうちには、給料は入りません。
リゾバ.comの区切りに当てはめて考えます。
10月1日に働き始めた場合、20日締めの勤務先なら10月1〜20日の分が11月10日に入ります。末日締めの勤務先なら、10月の1か月分が11月20日です。どちらも、最初の入金は初出勤から40〜50日ほどあとになります。
始める日が締め日の直後だと、さらに延びます。20日締めの勤務先で10月21日に働き始めると、最初の締めは11月20日で、入金は12月10日。50日ほど待つことになります。
交通費も同じです。リゾバ.comは交通費を最終給与とあわせて支払うとし、リゾートバイト.comも勤務満了後に最後の給与とあわせて支払うと案内しています。赴任の交通費と最初の入金までの生活費は、手持ちで立て替える前提で準備します。交通費の上限や聞く項目は交通費の記事にまとめました。
立て替えるものを数えるときは、次の順に積み上げます。
- 赴任の交通費(片道分。支給は最後の給与と一緒)
- 到着から初出勤までと、休日の食費
- 寮に備え付けのない日用品
- 最初の入金日までの携帯代などの引き落とし
次の節の前払いは、働いた分を先に受け取る仕組みです。赴任の交通費や到着した日の出費には使えません。短期で交通費の立替えがどのくらい響くかは、短期1週間・2週間の記事で扱っています。
前払いは、働いた分の一部を先に受け取る制度
給料日まで待てないときに使われるのが、前払いです。労働基準法に前払いの定めはなく、紹介会社がそれぞれ用意しているサービスです。
3社の公開ページで確認できた内容を並べます。上限や手数料が書かれていない会社は、マイページや担当者で確かめる形です。
| 会社 | 前払いの案内(同社の公開ページ) |
|---|---|
| リゾバ.com | すでに勤務した分の給料の60%が上限。実働1日以上から、上限までは何回でも。担当者に申請し、勤務表やタイムカードの写真を送る。最短で銀行営業日2日後に給与振込口座へ |
| リゾートバイト.com | 同社雇用となる派遣求人で対応可能。申請のルールはマイページの「前払い申請」に記載 |
| リゾートバイトダイブ | 給与の前払い可、最短1時間で受け取り可。公式アプリで前払い申請ができる |
手数料がかかる場合があります。リゾバ.comの前払いには振込手数料があり、3万円未満は220円、3万円以上は330円、4営業日後の入金を選ぶと66円です。三井住友銀行への振込で2営業日後の入金を指定すれば無料、と同社は案内しています。
前払いで受け取った分は、そのぶん給料日の振込額が減ります。リゾートバイトダイブの給与明細の説明では、総控除額に前払いや食事の天引きなどが含まれるとされています。前払いを何度か使った月は、明細の控除欄で差し引かれた額を確かめてください。
日払い・週払いは、求人ごとの条件
「日払い」の求人は、会社全体の制度というより、個々の求人の条件です。
労働基準法第24条第2項が定めているのは「毎月1回以上」で、これは下限です。月に何回払うかは、それ以上であれば契約で決められます。リゾートバイト.comの求人検索には、こだわり条件として「週払い可」「日払い可」「前払い可」が別々に並んでいます。
だから、紹介会社が前払いに対応していても、応募した求人が日払いとは限りません。日払いが必要なら、求人の条件欄で「日払い可」を確かめてください。担当者に聞くときも「前払いできますか」と「日払いの求人ですか」は分けて聞きます。
1週間以上の帰郷や病気なら、支払日前でも請求できる
会社の前払いとは別に、法律上の請求権があります。非常時払です。
労働基準法第25条は、労働者が出産、疾病、災害その他厚生労働省令で定める非常の場合の費用に充てるために請求する場合、使用者は支払期日前であっても、既往の労働に対する賃金を支払わなければならないと定めています。「既往の労働」なので、対象はすでに働いた分の賃金です。まだ働いていない分を借りる制度ではありません。
「厚生労働省令で定める非常の場合」は、労働基準法施行規則第9条が次のように挙げています。条文の「労働者の収入によって生計を維持する者」は、あなたの収入で暮らしている家族のことです。
- あなたの収入で暮らしている家族が、出産し、病気にかかり、または災害を受けた場合
- あなた本人か、その家族が、結婚し、または死亡した場合
- あなた本人か、その家族が、やむを得ない事由で1週間以上にわたって帰郷する場合
1つ目は、本人ではなく家族の出産・病気・災害です。その家族があなたの収入で暮らしているかどうかが分かれ目で、当たるか迷うときは雇用主に事情を話して確かめます。
遠方の寮で働くリゾートバイトでは、3つ目が現実に起こりえます。本人がやむを得ない事情で1週間以上実家へ戻るなら、この規定に当たるかを雇用主に相談できます。
請求する相手は、雇用契約を結んだ相手です。派遣なら、通常は給料を払っている派遣会社になります。前払いの上限や手数料の案内とは別の話なので、「非常時払として請求したい」と理由を添えて伝えます。派遣先と派遣元の責任の分け方は、直接雇用と派遣の違いで条文ごとに扱っています。
第25条には、請求から何日以内に払うという日数は書かれていません。支払日を待たずに払う義務を定めた規定なので、いつ振り込まれるかをその場で確かめてください。応じてもらえないときの相談先は、この記事の最後の節にあります。
振込先と給与明細
給料の受け取り方にも決まりがあります。
賃金は通貨で直接払うのが原則です(労働基準法第24条第1項)。口座振込は、労働基準法施行規則第7条の2が、労働者の同意を得た場合に使える方法として定めています。振込先は、労働者が指定する本人の口座です。
同じ条文は、厚生労働大臣の指定を受けた資金移動業者の口座へ支払う方法(いわゆるデジタル払い)も定めています。この方法を使うには、銀行口座などへの振込も選べるようにしたうえで、要件を説明して同意を得る必要があります。口座の指定は自分で選ぶもので、会社が一方的に決めるものではありません。
給与明細は、所得税法第231条で交付が義務づけられています。給与の支払者は支払明細書を交付しなければならず、本人の承諾があれば電子的に提供できます。その場合でも、本人が請求すれば書面で交付しなければなりません。
各社とも明細はマイページやアプリで見る形です。リゾバ.comはマイページの「給与明細照会」、リゾートバイト.comは給与明細閲覧用のサイト(マイポータル)、リゾートバイトダイブは公式アプリを案内しています。
リゾートバイトダイブの明細の説明では、控除の欄に健康保険料・厚生年金保険料・雇用保険料・所得税が並び、総控除額にはそのほか前払いや食事の天引きが入ります。
寮費や食費の名目は寮で確認したいこと、保険料が引かれているかの確かめ方は社会保険と有給の記事で扱っています。控除欄の税金と保険料がどう決まるかは手取りの記事にまとめました。
辞めたとき、払われないとき
期間の途中で辞めても、働いた分の賃金はなくなりません。受け取りを急ぐなら、請求で早められます。
労働基準法第23条は、退職の場合に本人から請求があれば、使用者は7日以内に賃金を支払わなければならないと定めています。賃金に争いがある場合も、異議のない部分は同じ期間中に支払う必要があります。辞めるまでの手順は途中で辞めたいときの記事にまとめました。
支払日を過ぎても入金がないときは、まず明細と入金額を雇用主に確認します。地震で事業が止まった場合を想定した厚生労働省のQ&Aでも、既に働いた分の賃金は、当然に支払われなければならないとしています。
会社の事業が止まり、払われる見込みがない場合には、国が事業主に代わって未払賃金を立て替えて払う「未払賃金立替払制度」があります。一定の要件があり、相談先は最寄りの労働基準監督署です。
どこに相談すればいいか分からなければ、総合労働相談コーナーが入口になります。厚生労働省の案内では、各都道府県労働局と全国の労働基準監督署内などに設置され、予約不要・無料。
法律違反の疑いがある場合は、行政指導の権限を持つ労働基準監督署などに取り次ぐとしています。土日祝日と年末年始は閉庁です。
赴任前に、担当者に聞いておくこと
ここまでの話を、応募から赴任までに担当者へ聞く形に並べ直します。答えは、労働条件の書面と照らし合わせて控えておくと、入金日がずれたときに確かめられます。
- 自分の求人の締め日と、最初の支払日はいつか
- 前払いは使えるか。使えるのは働き始めて何日目からか、上限と手数料、申請の方法
- 日払い・週払いの求人か
- 交通費はいつ、いくらまで支給されるか。満了しなかった場合はどうなるか
- 給料の振込口座はいつまでに、どこで登録するか
この記事で参照した情報
- e-Gov法令検索:労働基準法(第23条〜第25条) ↗最終確認:2026/09/27
- e-Gov法令検索:労働基準法施行規則(第5条・第7条の2・第9条) ↗最終確認:2026/09/27
- e-Gov法令検索:所得税法(第231条 給与等の支払明細書) ↗最終確認:2026/09/27
- 厚生労働省:労働基準法第24条(賃金の支払)について(災害時のQ&A) ↗最終確認:2026/09/27
- 厚生労働省:総合労働相談コーナーのご案内 ↗最終確認:2026/09/27
- リゾバ.com リゾートバイトでよくある質問(給料・交通費・前払い) ↗最終確認:2026/09/27
- リゾバ.com 前払い制度 ↗最終確認:2026/09/27
- リゾートバイト.com よくある質問(給与・前払い) ↗最終確認:2026/09/27
- リゾートバイトダイブ 公式サイト(給与の前払い) ↗最終確認:2026/09/27
- リゾートバイトダイブ よくある質問:給与明細の見方 ↗最終確認:2026/09/27
法令や各社の案内は改定されることがあります。労働条件は求人ごとに異なるため、実際の条件は応募先から示される書面と公式の案内でご確認ください。