年末調整をするのは、扶養控除等申告書を出した勤務先です。対象は年末まで働いている人で、年の途中で契約が終わった人は原則として受けません。次の勤務先で年末調整を受けるなら、前の勤務先の源泉徴収票を出します。受けなかった人は、確定申告が要るかを国税庁の案内で確かめ、納め過ぎなら還付申告で精算できます。また、1月1日に給料を受けていなければ住民税の申告が要ることもあります。
年末調整をするのは、申告書を出した勤務先
確定申告が要るかどうかは、先に「年末調整を受けるか」で分かれます。年末調整で精算が済んだ人は、多くの場合そこで終わりです。
国税庁のタックスアンサー(No.2665)は、年末調整を、毎月の給料から源泉徴収した所得税と、その人が1年間に納めるべき税額との差額を精算するもの、と説明しています。精算するのは本人ではありません。給料を払っている会社です。
どの会社がやるかは、所得税法第190条に書かれています。扶養控除等申告書を受け取った給与の支払者が、その年の最後の給料を払うときに過不足を精算する、という形です。派遣なら派遣会社が、ここでいう支払者にあたります。
ダイブのよくある質問では、紹介(直接雇用)なら給与は雇用主である勤務先から振り込まれるとしています。
対象になる人も限られます。No.2665によると、12月の年末調整の対象は、1年を通じて勤務している人と、年の途中で就職して年末まで勤務している人。
年の途中で辞めた人は、列挙された一部の例外を除いて年末調整の対象になりません。
例外の1つは、パートタイマーなどで働いていた人が退職した場合です。その年に支払を受ける給与の総額が一定額以下で、退職後にその年のうちに別の勤務先から給与を受ける見込みがなければ、退職時に年末調整の対象になります。例外の全体と金額は、同じページで確かめてください。
リゾートバイトでは、ここが効いてきます。夏の契約が9月に終わって、冬の契約が12月から始まるような働き方では、年末に給料を払っている会社がどこかで話が変わります。
紹介会社で年末調整を受けられるかは、会社と条件で違う
派遣で働く人にとっての年末調整の窓口は、紹介会社(派遣元)です。ただ、年末に在籍していれば必ずやってもらえる、という書き方は、3社の案内にはありません。2026年11月3日に3社の公式ページで確かめた内容を並べます。
| 会社 | 年末調整の扱い(同社の案内) |
|---|---|
| リゾートバイトダイブ | 次の条件をすべて満たす人に行う。その年の12月も継続して勤務/ダイブのみで働いている(副業をしていない)/その年の収入が給与所得のみ/期限内に必要書類を提出できる。対象者には10月下旬ごろに案内を送る |
| リゾバ.com(ヒューマニック) | 条件により、対応可能な場合もある。詳しくは担当へ確認 |
| リゾートバイト.com | よくある質問のページに、年末調整の記載は見当たらなかった。扱いは担当者に確認 |
ダイブは条件を公開しています。勤務の条件は、よくある質問が「12月も継続して勤務」、コラムが「12月以降も継続して勤務」と書いていて、12月のどこまで勤務すれば対象かは書かれていません。年内に契約が終わる人は、先に担当者に確かめてください。
10月の下旬を過ぎても案内が来なければ、担当者に聞く。ほかの2社のうち、リゾバ.comは条件を明示しておらず、リゾートバイト.comは記載が見当たりません。年末まで働く予定なら同じように担当者に確かめてください。
案内が来たら、提出の期限を守ることが条件に入っています。ダイブのコラムでは、年末調整の必要書類として、扶養控除等申告書や保険料控除申告書のほか、前職の源泉徴収票がある人はあわせて用意するよう書いています。
次の勤務先に、前の源泉徴収票を出す
同じ年に2か所以上で働いた人は、年末に在籍している勤務先で、前の勤務先の分もまとめて年末調整を受けられることがあります。そのための書類が源泉徴収票です。
国税庁のタックスアンサー(No.2674)は、年の途中で就職した人の年末調整について、ほかの会社に扶養控除等申告書を出して受けた給与があれば、それも含めて年末調整を行う必要があるとしています。
前の勤務先で申告書を出していなかった(乙欄で引かれた)給与は、この合算に入りません。金額と引かれた所得税・社会保険料は、ほかの会社から交付を受けた源泉徴収票などで確認します。
裏返すと、前の勤務先の源泉徴収票が手元に無ければ、合算はできません。確認できないときは年末調整ができず、本人が確定申告で精算することになる、と同じページは書いています。
源泉徴収票は、待っていれば届くとは限りません。所得税法第226条第1項は、年の途中で退職した人には退職の日以後1か月以内に源泉徴収票を交付するよう定めています。一方で、各社の案内では、ふだんの受け取り方は次のとおりです。
- ダイブ:毎年12月下旬以降にマイページの「源泉徴収票ダウンロード」に反映。12月より前に欲しい場合は公式LINEで問い合わせる
- リゾバ.com:マイページの「給与明細照会」から申請する
冬の勤務先に年末調整を頼むなら、秋に終わった契約の源泉徴収票を早めに取り寄せておく必要があります。会社ごとの受け取り方は短期のリゾートバイトの記事にもまとめました。
請求しても交付されないときは、交付期限を過ぎたあと、税務署に「源泉徴収票不交付の届出書」を出せます。国税庁の手続の案内では、交付を求めたことが分かる書類などを添えて、納税地を所轄する税務署に出します。
源泉徴収票を頼む先は、給料を払っていた会社です。ダイブのコラムは、勤務先の職場では発行できないので雇用主の派遣会社に問い合わせるよう書いています。
同社のよくある質問では、紹介の求人なら源泉徴収票も派遣会社ではなく勤務先に依頼するとしています。雇用主の見分け方は直接雇用と派遣の違いで扱っています。
年末調整されない給与があると、確定申告が要ることがある
年末調整を受けなかった給与がある人は、確定申告が必要かどうかを自分で確かめます。
国税庁のタックスアンサー(コード1900)は、大部分の給与所得者は年末調整で税額が確定し、確定申告の必要はないとしたうえで、申告しなければならない人を並べています。その中に、給与を2か所以上から受けていて、年末調整されなかった給与の収入金額などが一定の額を超える人、があります。
リゾートバイトで当てはまりやすいのは、次のような場合です。
- 同じ年に、扶養控除等申告書を出していない勤務先(乙欄で引かれた勤務先)からも給料を受けた
- 地元のアルバイトを続けながら、休みの期間だけリゾートバイトをした
- 前の勤務先の源泉徴収票が間に合わず、年末調整に含められなかった
その一定の額は、このサイトでは書きません。税の改正で動く数字で、古い年分の額を覚えていると判断を誤ります。申告する前に、その時点のコード1900を開いて線を確かめるのが確実です。
扶養控除等申告書を出すかどうかで決まる甲欄と乙欄の違い、2か所で働くときに申告書を出せるのが1か所だけである点は、手取りの記事に書きました。
自分の申告とは別に、家族の扶養控除の対象でいられるかは、年間の合計所得金額で決まります。扶養の記事で扱っています。
別の仕事との掛け持ちで、労働時間の通算や社会保険がどうなるかは、副業・掛け持ちの記事にあります。
納め過ぎなら還付申告。1月から出せる
年の途中で辞めて年末調整を受けていない人は、引かれた所得税が1年分の税額より多くなっていることがあります。このとき使えるのが還付申告です。
国税庁のタックスアンサー(No.2030)は、確定申告をする義務のない人でも、給与から源泉徴収された所得税が年間の税額より多いときは、確定申告で納め過ぎの分の還付を受けられるとしています。具体例の1つ目が、年の途中で退職し、年末調整を受けずに納め過ぎになっているときです。
時期の決まりが、確定申告と違います。
| 手続き | 出せる時期(国税庁の案内) |
|---|---|
| 確定申告 | 原則、翌年2月16日から3月15日まで(No.2020) |
| 還付申告 | 確定申告期間とは関係なく、翌年1月1日から5年間(No.2030) |
冬の契約が3月まで続く人は、確定申告の期間をまるごと赴任先で過ごすことになります。還付だけが目的なら、1月のうちに出してしまう手もあります。源泉徴収票が年末までにそろうよう、秋のうちに頼んでおくと段取りが組めます。
もう1つの注意は、源泉徴収票の「源泉徴収税額」の欄です。No.2030は、ここが0の人は申告しても還付される所得税はない、としています。
申告書は、国税庁の「確定申告書等作成コーナー」で、画面の案内に沿って作って提出できます。提出先は、提出するときの納税地を所轄する税務署です。赴任先で出すときは、自分の納税地がどこかを確かめてから提出先を選んでください。
1月1日に働いていなければ、住民税の申告を確かめる
所得税の手続きとは別に、住民税の申告が要ることがあります。契約の切れ目で年をまたぐ人ほど関係します。
総務省の案内では、住民税のうち所得に応じた部分(所得割)は、前年1月1日から12月31日までの所得で算定されます。地方税法第318条は、課税の基準日(賦課期日)を1月1日と定めています。
申告の義務は、地方税法第317条の2にあります。住民税の申告書は3月15日までに、1月1日時点の住所地の市区町村長に出す。ただし、1月1日に給料を受けている勤務先があり、その勤務先が市区町村に給与支払報告書を出す義務を負っていて、前年に給与以外の所得がない人は、申告しなくてよいとされています(医療費控除などを受けたい場合を除く)。
年末年始を契約の合間で過ごした人は、この「1月1日に給料を受けている」に当たらないことがあります。
ここで助けになるのが第317条の3です。所得税の確定申告書を出した人は、その日に住民税の申告書も出したものとみなされます。
還付申告の申告書も、所得税法第2条第1項第37号の定義では確定申告書に含まれます。確定申告か還付申告をするなら、住民税の申告を別に出す必要は原則ない、ということです。
どちらもしない人は、1月1日に住所があった市区町村に、申告が要るかを問い合わせてください。
書類をそろえる順番と、聞く先
必要な手続きは、年末に働いているかどうかと、同じ年に何か所で働いたかで決まります。準備を始める時期の順に並べました。
| 時期 | やること | 聞く先 |
|---|---|---|
| 契約が終わったとき | 源泉徴収票を請求する。退職の日以後1か月以内が法律上の期限 | 給料を払っていた会社 |
| 次の勤務先で働き始めるとき | 扶養控除等申告書を出す。前の勤務先の源泉徴収票を、年末調整に間に合うよう用意する | 次の勤務先 |
| 秋〜年末(ダイブは10月下旬ごろに案内) | 年末調整の案内が来たか確かめる。来なければ担当者に聞く | 年末に給料を払う会社 |
| 翌年1月1日〜 | 年末調整を受けず、納め過ぎなら還付申告ができる | 納税地の税務署 |
| 翌年2月16日〜3月15日 | 確定申告が要るかを確かめ、要るなら申告する | 納税地の税務署 |
| 翌年3月15日まで | 確定申告も還付申告もしない人は、住民税の申告が要るか確かめる | 住所地の市区町村 |
税の疑問は、国と市区町村で窓口が分かれます。国税庁の「税についての相談窓口」によると、所得税は国税局の電話相談センターが答えていて、音声ガイダンスの「2」が源泉徴収・年末調整です。
一方で、電話相談センターは地方税(住民税)の問い合わせには答えられないと同じページにあります。住民税は市区町村に聞いてください。所得税の疑問なら、国税庁のチャットボットが土日や夜間も使えます。
源泉徴収票の中身や年末調整の結果に疑問があるときは、先に給料を払った会社に聞きます。どの会社が支払者かは、派遣か直接雇用かで変わります。
この記事で参照した情報
- e-Gov法令検索:所得税法(第2条第1項第37号・第190条 年末調整・第226条 源泉徴収票) ↗最終確認:2026/11/03
- 国税庁:No.2665 年末調整の対象となる人 ↗最終確認:2026/11/03
- 国税庁:No.2674 中途就職者の年末調整 ↗最終確認:2026/11/03
- 国税庁:No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人 ↗最終確認:2026/11/03
- 国税庁:No.2030 還付申告 ↗最終確認:2026/11/03
- 国税庁:No.2020 確定申告 ↗最終確認:2026/11/03
- 国税庁:F5-4 源泉徴収票不交付の届出手続 ↗最終確認:2026/11/03
- 国税庁:税についての相談窓口 ↗最終確認:2026/11/03
- e-Gov法令検索:地方税法(第317条の2・第317条の3・第318条) ↗最終確認:2026/11/03
- 総務省:個人住民税 ↗最終確認:2026/11/03
- リゾートバイトダイブ 給与・保険・制度のよくある質問(年末調整・源泉徴収票) ↗最終確認:2026/11/03
- リゾートバイトダイブ リゾートバイトの基本のよくある質問(紹介の雇用形態での給与の支払い) ↗最終確認:2026/11/03
- リゾートバイトダイブ:リゾートバイトで確定申告は必要? ↗最終確認:2026/11/03
- リゾバ.com リゾートバイトでよくある質問(年末調整・退職の各種書類) ↗最終確認:2026/11/03
- リゾートバイト.com よくある質問 ↗最終確認:2026/11/03
法令や各社の案内は改定されることがあります。労働条件は求人ごとに異なるため、実際の条件は応募先から示される書面と公式の案内でご確認ください。