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お金・契約

リゾートバイトで有給を使うとき。申請・賃金・消える時期

リゾートバイトで付いた有給を、どう申請し、いくら支払われ、いつまでに使うのか。労働基準法第39条と厚生労働省の解説、リゾバ.com・リゾートバイト.com・ダイブの案内を並べて、会社ごとに違う点を整理しました。

この記事のポイント

有給は、使いたい日を「請求」して使います。理由は要りません。窓口は派遣なら派遣会社で、申請の手順は会社ごとに違います。有給の日の賃金は、労働基準法第39条第9項の3通りのうち、就業規則などで定めた方法で決まります。確認した3社の案内でも、通常の賃金と平均賃金に分かれていました。2年で消え、退職日で消えるので、満了の前に残りを聞きます。

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付いたあとの話を扱う記事です

有給が付く条件は、社会保険と有給の記事と延長とリピートの記事に書きました。この記事は、付いたあとの話です。どう申請するのか、その日の賃金はいくらになるのか、断られたらどうなるのか、いつ消えるのか。

ここに書くのは、労働基準法第39条の条文と、厚生労働省の解説で言える一般論です。個別の求人の条件は応募先で決まります。各社の案内は、開いた公式ページに書かれていた範囲だけを、「同社の案内では」の形で書きます。

先に答えだけ並べます。

  • 有給は「休み希望」ではなく、「請求」して使う。理由を言う必要はない
  • 有給の日の賃金は、普段の日給と同額とは限らない。通常の賃金か平均賃金かなど、あらかじめ定めた方法で決まり、確認した3社の案内でも分かれていた。応募前に、どちらで払われるかを聞く
  • 付与から2年で消える。退職日でも消える。満了の日が退職日と同じ扱いかは資料から言えないので、満了の前に「満了日までに残りを使えますか」と聞く

有給は「請求」して使う。理由は要らない

労働基準法第39条第5項は、使用者は有給を、労働者が請求する時季に与えなければならないと定めています。休み希望が「お願い」なのに対して、有給の請求は法律に根拠のある権利の行使です。希望休との違いは、休み希望の記事にまとめました。

厚生労働省の「スタートアップ労働条件」の年次有給休暇Q&Aは、利用目的によって取得を制限することはできない、としています。確かめよう労働条件の解説も、指定した時季に与えるのが原則で、使用者の承認は必要ないとしています。申請のときに「旅行のため」「用事があるため」と書かなくても、請求は成り立ちます。

理由を言わなくてよいのは、法律の話です。実際の申請の窓口と手順は、会社ごとに違います。次の節で並べます。

申請の窓口と手順は、会社の案内を見る

派遣の場合、有給を与えるのは雇用主の派遣会社です。窓口が派遣会社になる理由は、休み希望の記事の派遣の節に条文つきで書きました。

手順は、確認できた範囲で会社ごとに次のとおりでした。

会社 同社の案内
リゾートバイトダイブ 取得したいときは公式LINEで連絡し、案内される申請フォームに答える。有給の管理はダイブが行うので、勤務先に有給だと伝える必要はない、とよくある質問にある。コラムは、勤務先と派遣会社の両方に確認するよう勧め、勤務先のシフトが作られる前に申請すると通りやすいとしている
リゾバ.com コラムでは、シフトが作られる前に勤務先へ休みの希望日を相談し、シフトが確定したら担当者に連絡する流れ。取りたい日の1か月以上前に相談するのが目安、とある
リゾートバイト.com コラムでは、配属先に早めに取得の可否を相談し、そのあと派遣会社の担当者に、希望日と日数をメールやLINEなど記録の残る方法で伝える。派遣会社指定の申請書類があれば期日までに出す、とある
アルファリゾート よくある質問に、有給の項目は見当たらなかった

この表のダイブ、リゾバ.com、リゾートバイト.comの3社に共通しているのは、シフトが出る前に動く点です。

違うのは、勤務先に先に話すのか、派遣会社に直接申請するのかです。勤務先が先なのはリゾバ.comとリゾートバイト.comです。ダイブは、よくある質問では勤務先への伝達が不要としていますが、コラムは勤務先にも確認するよう勧めていて、書き方が分かれています。

同じ「派遣」でも、手順は会社の運用です。

応募先が決まったら、有給の申請は誰に、いつまでに、何で伝えるのかを担当者に聞いておきます。聞くのは、この3点です。

有給の日の賃金は、会社の定めた方法で決まる

休んだ日に支払われる賃金は、どの方法で計算するかによって、額が変わることがあります。

労働基準法第39条第9項は、有給の日の賃金について、次の3通りを挙げています。就業規則などで、どれにするかを定めて払います。

  • 所定労働時間働いたときに払われる通常の賃金
  • 平均賃金
  • 標準報酬日額(労使協定を結んだ場合だけ)

厚生労働省の解説は、支払い方法を使用者がそのつど恣意的に選ぶことは認められていない、としています。決まるのは、働く前に定められた方法です。

3社のコラムは、このどれで払うかが分かれています。

会社 同社のコラムの説明
リゾバ.com 通常の賃金で支払う。勤務時間分の給与が支払われる。計算方法は派遣会社ごとに違うので、事前に確認するよう勧めている
ダイブ 有給を取った日の金額は、平均賃金と同じ額になる。計算式には、休日などを含む暦の日数が関係すると説明している
リゾートバイト.com 平均賃金の考え方で、2つの計算方法のうち高いほうを1日分とする、と説明している。時給が違う2人の例で、支払額の差を示している

通常の賃金と平均賃金では、同じ1日でも額が違うことがあります。有給を使うと、普段の日給と同じ額が出るとは限りません。計算の仕方は、条文でも各社のコラムでも、読んだだけで自分の額が分かる形ではありません。

払われ方も確かめます。リゾバ.comのコラムは、月々の給与とあわせて支給されるとしています。ダイブのコラムは、休暇を取得した日の分の給与が支払われるとだけ書いていて、支払い時期は確認できませんでした。

使った月の給与明細に有給の欄が出るかは、受け取ったときに確かめてください。明細の見方は手取りの記事にあります。

聞くことは1つです。「有給の日の賃金は、通常の賃金と平均賃金のどちらで払われますか」。

希望の日に取れないとき

希望した日を断られることがあります。条文には、これに当たる決まりがあります。

第39条第5項のただし書きは、請求された時季に有給を与えることが事業の正常な運営を妨げる場合には、他の時季に与えることができるとしています。これを時季変更権といいます。使えるのは「事業の正常な運営を妨げる場合」だけで、使用者の都合で自由に断れる権利ではありません。

厚生労働省の解説は、代わりの人を配置できるのに、その配慮をしないで時季変更権を使うことは認められないとする判例を紹介しています。変更の理由がなくなったら、できるだけ早く有給を与える必要がある、ともあります。

一方で、リゾートバイトの現場は、季節で忙しさが変わります。ダイブのコラムは、ホテルや旅館では、週末、お盆、ゴールデンウィークなど予約が多い時期は取りにくいことがあるとしています。リゾートバイト.comのコラムも、繁忙期は時季変更で取得時期を動かされる場合がある、としています。

この2つは、矛盾しません。取りにくい時期があるのは現実で、断れる場合は法律で限られています。

断られたときは、まず担当者に、断られた理由と代わりの日を聞きます。ダイブは、勤務先に断られたらダイブの担当者か公式LINEに相談できる、と案内しています。

使えない場面。金額だけ・勤務後・移動期間

次のことは、確認できた範囲で、各社の案内にあります。

  • 休まずに金額だけを受け取る:ダイブは、有給は実際に休暇を取った日に払われる仕組みで、休まずに金額だけを受け取ることはできないとしています。リゾバ.comのコラムは、原則として買い取りはできないとしています
  • 勤務が終わったあとに使う:ダイブのよくある質問は、勤務期間が終わったあとには有給を使えないとしています。一方、同社のコラムは、移動期間(勤務の終了後から次の勤務の開始まで)に使う方法を、条件つきで紹介しています。案内が2つあるので、自分の場合に使えるかは担当者に確かめます
  • 移動期間に付与日が来たとき:勤務先へ向かう移動日などの期間です。ダイブのコラムは、移動期間中に付与日を迎える有給は、その移動期間中には使えないとしています

法令の側にも、買い取りの話があります。厚生労働省のQ&Aは、あらかじめ買い上げを約束して、有給の日数を減らすことは法違反になる、としています。前の2つは、会社の運用の説明です。

時間単位の取得は、第39条第4項で、労使協定を結んだ場合に、年5日以内に限って認められています。半日単位は条文になく、厚生労働省の解説では、就業規則などに定めがあれば認められるとされています。確認した各社の案内には、半日や時間単位の取得を説明したものはありませんでした。必要なら、担当者に聞いてください。

消えるタイミングは2つ

有給は、使わないと消えます。消えるタイミングは、時間の経過と、退職の2つです。

1つ目は、時効です。厚生労働省の確かめよう労働条件の解説は、有給の権利は2年で時効によって消えるとしています。ダイブは付与から2年後に消滅すると案内していて、リゾバ.comのコラムも、付与された日から2年間が有効期限としています。

2つ目は、退職です。同じ解説は、退職日をもって有給の権利は消滅するとしています。退職前に残りをすべて使いたいと申し出た場合、使用者は時季変更権を行使できず、認めるほかない、とも書かれています。

リゾートバイトは、契約の満了で終わります。満了の日が、会社の運用で退職日と同じ扱いになるかは、確認できた資料からは言えません。満了のあとに使えるかは、ダイブの案内でも、よくある質問とコラムで書き方が違います。会社ごとに確かめます。

残りの日数がある人は、満了の前に、いつまでに申請すれば使えるかを聞いておきます。満了の直前だと、シフトが組まれたあとで、請求した日が通らないことがあります。

残りの日数を知る方法も、会社で違います。ダイブは、担当者か公式LINEに問い合わせるとしています。

使える日数や、契約と契約のあいだで勤続が通算されるかは、延長とリピートの記事にまとめました。1回の契約が短くて有給が付かない場合は、短期の記事に理由があります。

週の日数が少ない人と、直接雇用に切り替わった人

日数や通算は、働き方によって変わります。条文と会社のコラムから言える範囲を書きます。

  • 週の所定労働日数が少ない人:第39条第3項は、1週間の所定労働日数が通常の労働者より相当少ない労働者について、日数を比例して少なくする扱いを、厚生労働省令に委ねています。ダイブとリゾートバイト.comのコラムは、週4日以下で日数が変わる点に触れています。具体的な日数は、省令と会社の説明で確かめてください
  • 直接雇用に切り替わった人:リゾートバイト.comとリゾバ.comのコラムは、派遣から直接雇用(紹介)に変わると、派遣会社での勤続はリセットされると説明しています。雇用主が変わるためです。雇用主による窓口の違いは、直接雇用と派遣の記事にあります

有給の日数を会社に確認するときは、いまの雇用主が誰かを先に確かめます。勤続の数え方は、雇用主ごとに変わるためです。

有給を取ったことで、不利になってはいけない

附則第136条は、使用者は、有給を取得した労働者に対して、賃金の減額その他の不利益な取扱いをしないようにしなければならない、と定めています。厚生労働省のQ&Aも、不利益取扱いの禁止を使用者の留意点として載せています。

有給を取ったことを理由に評価を下げられたり、次の契約を断られたりしたと感じたときは、記録を残してください。

申請の日付、相手、返事は、メールやLINEなど残る方法で控えます。そのうえで、都道府県労働局や労働基準監督署内にある総合労働相談コーナーで相談できます。

所在地は、厚生労働省の案内ページに載っています。

どこからが不利益な取扱いに当たるかの判断は、ここでは書いていません。条文は「しないようにしなければならない」という書き方で、個別の事情で見られます。

申請の前と満了の前に聞くこと

最後に、聞くことを並べます。

聞くタイミング 聞くこと
申請の前 申請は誰に、いつまでに、何で伝えるか。勤務先にも先に話すか
申請の前 有給の日の賃金は、通常の賃金と平均賃金のどちらか。いつ払われるか
申請の前 断られたとき、誰に相談すればよいか
満了の前 残りの日数と、いつまでに申請すれば使えるか
満了の前 満了のあとは使えるのか。使えないなら、いつまでか

有給の話は、付く条件より、使い方のほうが会社ごとの差が出ます。応募先が決まったら、担当者に上の表を、そのまま聞いてみてください。

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