リゾートバイトの農業・牧場は、旅館の仕事と法律の扱いが違います。労働基準法第41条は、農業・畜産などの事業に従事する人に、労働時間・休憩・休日の規定を適用しません。旅館は別の区分なので、同じ寮付きでも勤務先の事業の種類で変わります。深夜の割増賃金と年次有給休暇は、厚生労働省の労働局の資料では適用除外になりません。時間や休日は求人票と契約書の記載が基準になるため、応募先に項目ごとに聞いてください。
農業・牧場のリゾバは、旅館の仕事と法律の扱いが違う
リゾートバイトには、旅館やホテルのほかに、農場や牧場の仕事もあります。仕事の中身を知る前に、知っておきたい違いが1つあります。
農業や畜産の事業では、労働基準法の労働時間・休憩・休日の規定が、働く人に適用されません。
ここでは、条文と労働局の資料で確かめた一般論と、確認できた各社の案内が中心です。個別の求人の条件は、応募先で確認することが前提です。
各社の案内は、農業をどう扱っているか
ダイブの特集記事(2025年10月29日更新)は、農業・酪農の仕事として、農作物の収穫、搾乳や仔牛の哺育など酪農全般の業務、選果場での選別を挙げています。
未経験でも応募でき、簡単な作業から任せてもらえるとも書いています。
一方で、力仕事が多いこと、朝が早いこと、虫がいることを、大変な点として挙げています。職種によって運転免許が必要な場合もあるそうです。
リゾバ.comは、トップページの職種に「農業」と「酪農」、施設に「牧場・農場」の分類を置いています。ただ、牧場・農場のページには、仕事内容や勤務時間の説明を確認できませんでした。
リゾートバイト.comは、施設タイプに「農業・牧場」の分類があります。農業専用の職種の分類は確認できませんでした。
ダイブの特集とリゾバ.comの牧場・農場のページでは、勤務時間や休日の説明を確認できませんでした。農業の勤務時間や休日は、個別の求人票で確かめる前提で読みます。次の節で見る法律の扱いと合わせて、求人票の書き方が大事になります。
労働基準法第41条は、農業・畜産の事業を適用除外にしている
2026年11月5日にe-Govで条文を読みました。労働基準法第41条は、第1号で、別表第一の第六号(林業を除く)または第七号に掲げる事業に従事する人には、労働時間・休憩・休日に関する規定を適用しない、と定めています。
別表第一を見ると、第六号は「土地の耕作若しくは開墾又は植物の栽植、栽培、採取若しくは伐採の事業その他農林の事業」です。第七号は「動物の飼育又は水産動植物の採捕若しくは養殖の事業その他の畜産、養蚕又は水産の事業」です。農業と畜産がここに入ります。
旅館は、同じ別表第一の第十四号「旅館、料理店、飲食店、接客業又は娯楽場の事業」です。第41条第1号が指すのは第六号と第七号だけなので、同じリゾートバイトでも、勤務先の事業が農場か旅館かで、労働時間・休憩・休日の規定の扱いが変わります。
茨城労働局のページは、農業・畜産業・養蚕業・水産業に従事する人は、労働時間・休憩・休日の規定が適用されず、時間外や休日の労働に割増賃金の対象にならない、と説明しています。長野労働局の資料は、この理由を、農業などは天候などの自然条件に左右されるためと書いています。
ここから言えるのは、法律が一律の上限や休日の日数を決めていない、というところまでです。実際の勤務時間と休日を確かめる手がかりは、求人票と契約書の記載です。
深夜の割増賃金と年次有給休暇は、適用除外にならない
適用除外になるのは、労働時間・休憩・休日の規定です。茨城労働局のページは、深夜業は適用除外されていないため、深夜に働けば割増賃金の支払対象になる、と書いています。長野労働局の資料は、これらの人についても、深夜労働の割増賃金と年次有給休暇に関する規定は適用除外にならない、としています。
つまり、早朝や夜間の作業が深夜の時間帯に入るなら、割増賃金の規定は農業の仕事にも及びます。深夜の時間帯の考え方はナイトフロントの記事に、有給の使い方は有給の記事にあります。
派遣のときは、派遣先の事業で見る
リゾートバイトには、派遣として募集される求人があります。労働者派遣法第4条は、派遣事業を行ってはならない業務として、港湾運送業務、建設業務、警備業務などを挙げています。
農業は、第4条第1項の第1号と第2号には入っていません。第3号は政令で定める業務で、その政令の中身までは、今回確認していません。
第44条第2項は、派遣中の労働者について、労働基準法第41条などの規定を、派遣先の事業だけを使用する事業とみなして適用すると定めています。
第41条に当たるかは、派遣元ではなく、派遣先の事業が農業・畜産かどうかで決まります。
派遣先がホテルで、仕事が敷地内の畑だった場合などは、事業の種類をどう見るか、ここでは判断できません。応募先に事業の種類を聞くのが確かです。
雇用保険と労災は、事業の形態によって例外がある
保険にも、暫定的な例外の定めがあります。雇用保険法の附則第2条は、農林、畜産、養蚕、水産の事業で政令で定めるものを、当分の間、任意適用事業とすると定めています。国や自治体の事業と、法人の事業のうち事務所に限るものは、この対象から除かれています。
労災保険では、労災保険法の附則に収められた昭和44年法律第83号の附則第12条が、政令で定める事業を、当分の間、労災の適用事業としないと定めています。条文は農業に限った書き方ではなく、農業の個人事業は適用除外を免れる側の事業として出てきます。
どの農家が当たるかは、政令の定めです。数字は変わることがあるため、書きません。派遣の場合に、保険の適用がどちらの事業を基準に判断されるかは、確認していません。
リゾートバイト.comのよくある質問は、業務が原因の病気やケガについて、通勤災害も含めて労災が適用されると案内しています。
農場の求人でも同じかは、確認できませんでした。雇用保険と労災に入るかは、応募先と紹介サービスの担当者に聞いて、書面で確かめます。加入の考え方は社会保険の記事と労災の記事にあります。
応募先に聞く項目
ここまでを、応募先に聞く項目にまとめます。
| 確かめること | 聞き方の例 |
|---|---|
| 事業の種類 | 勤務先の事業は、農業・畜産か、宿泊施設か。旅館の畑の作業なのか |
| 勤務時間 | 始業と終業の時刻。収穫期や天候で変わるか。休憩は何時にどれだけ |
| 休日 | 月に何日か。繁忙期や天候の悪い日の扱い |
| 時間外・休日の賃金 | 決まった時間を超えたとき、休日に働いたとき、契約上どう支払われるか |
| 深夜 | 早朝や夜間の作業が深夜の時間帯に入るか。入る場合の割増賃金 |
| 保険 | 雇用保険と労災に入るか。入らない場合の補償はどうなるか |
| 現場への移動 | 寮から作業場までの移動手段と、運転免許の要否 |
答えは、項目の名前と一緒にメモに残します。聞いても返らなかった項目は「不明」と書いておき、赴任前にもう一度聞きます。
農場・牧場の求人は、旅館の仕事に比べて、法律が決めている部分が少ない分、契約書の記載が頼りです。職種の全体像は職種の記事にあります。
この記事で参照した情報
- e-Gov法令検索:労働基準法(第41条・別表第一) ↗最終確認:2026/11/05
- e-Gov法令検索:労働者派遣法(第4条・第44条) ↗最終確認:2026/11/05
- e-Gov法令検索:雇用保険法(附則第2条) ↗最終確認:2026/11/05
- e-Gov法令検索:労働者災害補償保険法(附則に収められた昭和44年法律第83号の附則第12条) ↗最終確認:2026/11/05
- 茨城労働局:労働基準法 第41条(労働時間等に関する規定の適用除外) ↗最終確認:2026/11/05
- 長野労働局:労働条件ハンドブック ↗最終確認:2026/11/05
- リゾートバイトダイブ:農業・酪農のリゾートバイト特集 ↗最終確認:2026/11/05
- リゾバ.com 牧場・農場のリゾートバイト求人情報 ↗最終確認:2026/11/05
- リゾバ.com(トップページの職種・施設の分類) ↗最終確認:2026/11/05
- リゾートバイト.com よくある質問 ↗最終確認:2026/11/05
法令や各社の案内は改定されることがあります。労働条件は求人ごとに異なるため、実際の条件は応募先から示される書面と公式の案内でご確認ください。