大学生がリゾートバイトをするとき、学生であることで変わるのは保険と年金です。雇用保険は、昼間の課程の学生なら原則として入りません。健康保険と厚生年金は「学生だから」ではなく、働き方が通常の労働者に近いかどうかで決まります。20歳以上なら、国民年金の学生納付特例があります。留学生は、資格外活動許可の範囲で働きます。線の数字は改正で動くので、応募の前に担当者へ「学生の自分は何に入る扱いか」を聞いてください。
学生で変わるのは、保険と年金。働く時間の上限は留学生だけ
要点は次の4つです。
- 雇用保険は、昼間の課程に通う大学生なら、原則として入りません
- 健康保険と厚生年金は、フルタイムに近い契約なら学生でも入ることがあります。入ると、家族の健康保険の扶養からは外れます
- 20歳以上なら、国民年金の保険料を猶予してもらう学生納付特例があります
- 留学生には、働ける時間の上限があります
学生であること自体は、応募の障害になりません。リゾバ.comとアルファリゾートは、よくある質問で、18歳以上であること(高校生は不可)を登録の条件として案内しています。変わるのは、給料の額や仕事の中身ではなく、どの保険や年金に入る扱いになるかです。
全体を並べます。
| 論点 | 学生で変わるか | 書いた節 |
|---|---|---|
| 雇用保険 | 変わる。昼間の課程の学生は原則として入らない | 雇用保険の節 |
| 健康保険・厚生年金 | 短時間の契約のときだけ、学生が除外の理由になる | 健康保険と厚生年金の節 |
| 国民年金 | 20歳以上なら、保険料の納付を猶予する特例がある | 学生納付特例の節 |
| 働ける時間 | 日本人の大学生は変わらない。留学生は上限がある | 留学生の節 |
| 有給休暇・労災 | 変わらない | 変わらないものの節 |
税と健康保険の扶養は、学生に限らない話なので扶養の記事に書きました。この記事は、その外側にある学生固有の制度だけを扱います。
「学生だから入らない」と決めつけると、入る契約のときに気づくのが遅れます。どれが当てはまるかは、通う課程と契約の働き方で決まります。
雇用保険は、昼間の課程の学生なら原則として入らない
雇用保険は、仕事を失ったときの給付などを受ける保険です。大学の昼間の課程に通う学生は、短い契約でも長い契約でも、原則としてこの保険に入りません。
根拠は、雇用保険法の第6条と、雇用保険法施行規則の第3条の2です。法の第6条は、学校教育法の学校の学生または生徒のうち、厚生労働省令で定める者を、法の適用から外しています。省令は、この「定める者」を「次に掲げる者以外の者」としています。
次の者は、適用から外れません。つまり、雇用保険に入る扱いになります。
- 卒業を予定している者で、適用事業に雇用され、卒業後も引き続き雇用されることになっているもの
- 休学中の者
- 定時制の課程に在学する者
このほかに、前の3つに準ずる者として職業安定局長が定めるものも、外れません。
厚生労働省 東京労働局のQ&Aには、夜間学部などに通う学生は「昼間学生」ではないので、週の所定労働時間などの条件を満たせば被保険者に当たる、という回答があります。春休みに働いて、そのまま同じ会社で卒業後も働く約束がある人は、1つ目に当たる場合があります。別の会社に就職する人は、1つ目に当たりません。
自分がどちらか分からないときは、通っている課程を担当者に伝えて確かめます。昼間の課程で、休学中でもなく、卒業後も同じ会社で働く約束もない学生は、雇用保険に入らない扱いが原則です。
入らないので、契約が終わったあとの失業の給付は、その契約の分では受けられません。失業の給付の仕組みは、失業保険の記事にまとめました。
紹介会社の案内を2026年10月12日に確かめた範囲では、4社とも、公開しているよくある質問に、学生の雇用保険の扱いは見当たりませんでした。リゾートバイトダイブは、派遣雇用で、雇用期間や所定時間などの条件を満たす場合に社会保険・雇用保険に加入する、と案内しています。条件の詳細は同社の質問ページにあります。
どの会社の案内も、学生の例外には触れていません。応募の前に、担当者へ「大学の昼間の課程の学生ですが、この契約で雇用保険に入る扱いですか」と聞いてください。
健康保険と厚生年金は、「学生だから」ではなく働き方で決まる
結論から書きます。フルタイムに近い契約なら、学生でも入ることがあります。週の勤務が短い契約のときだけ、学生は入らない側になります。
用語を先に整理します。被保険者は、その保険に入る人です。所定労働時間は、契約で決められた勤務時間のことです。
健康保険法の第3条第1項第9号と、厚生年金保険法の第12条第1項第5号は、同じ形です。事業所に使用される者のうち、通常の労働者の所定労働時間または所定労働日数の一定割合に満たない短時間労働者に当たり、かつ次のどちらかに当たる人を、被保険者としません。
- 1週間の所定労働時間が、条文の定める時間未満である
- 学校教育法に定める大学の学生など、厚生労働省令で定める者である
日本年金機構の短時間労働者のページ(2026年10月1日更新)も、週の所定労働時間が一定以上で、学生ではない場合に、短時間労働者として加入対象になると案内しています。
この読み方で気をつけたいのは、学生が除外されるのは、短時間労働者に当たるときだけだという点です。条文は、通常の労働者と同程度に働く人について、学生であることを理由に除くとは書いていません。フルタイム近くで働く長期休暇の契約は、学生だからという理由では外れません。住み込みで毎日働く契約は、こちらに近いと考えておいたほうが安全です。
契約期間と仕事の性質による除外も、別にあります。2か月以内の期間を定めて使用される臨時の者で、その期間を超えて使用されることが見込まれない人は、被保険者から除かれています。季節的業務(スキー場など)にも別の条件があります。
短い契約なら入らない場合があるという点は短期1週間・2週間の記事に書きました。加入の線の数字は改正で動くので、ここには書きません。
入ると、家族の健康保険の扶養からは外れます。同じ内容を、扶養の記事の「勤務先の健康保険に入ると、収入に関係なく外れる」の節に書きました。
自分で判断せず、契約の前に担当者へ聞くことは3つです。
- この契約で、健康保険と厚生年金に入るのか
- 入るなら、いつから入るのか
- 手続きの連絡は誰にすればよいのか
質問の理由は、社会保険の記事に書きました。
20歳以上なら、国民年金の学生納付特例がある
国民年金法の第7条は、日本国内に住所を有する20歳以上60歳未満の者を、国民年金の被保険者としています。20歳になった大学生は、働いていなくても対象です。保険料は毎月かかります。
学生には、この保険料の納付を猶予する特例が用意されています。国民年金法の第90条の3が、学生等である被保険者から申請があったとき、前年の所得が政令で定める額以下であれば、その期間の保険料を納めなくてよいとしています。
日本年金機構のページ(2026年8月3日更新)は、この特例の要点を次のとおり案内しています。
- 対象は、前年の所得が一定額以下の学生。家族の所得は問わない
- 審査は、原則として4月から翌年3月までを単位に行う
- 申請先は、住民登録している市区町村の窓口か年金事務所。学校が代行する場合もある
- 承認された期間は、年金を受け取る資格の期間には入るが、将来の年金額の計算には入らない
- 承認から10年以内なら、さかのぼって保険料を納める追納ができる
リゾートバイトの給料は、所得に入ります。長期休暇に稼いだ分が、あとの年度の特例の審査で見られることがあります。所得が基準を超えると、その年度は特例の対象にならず、保険料を納めることになります。
審査で、どの年の所得が見られるかは、年金機構のページからリンクされている「申請可能期間と前年所得の関係」の表で確かめてください。所得の基準の式も、そのページに載っています。額は改正で動くので、ここには写しません。
申請が遅れると、申請前の事故や病気による障害について、障害基礎年金を受けられない場合がある、とページは書いています。申請は、リゾートバイトの契約が決まる前に済ませておくのが安全です。
住民票を実家に置いたまま寮に住む場合も、窓口は住民登録をしている市区町村です。
留学生は、資格外活動許可の範囲で働く
留学の在留資格で在留する人は、アルバイトの前に資格外活動許可を受けている必要があります。まだ許可がない人は、出入国在留管理庁の「資格外活動許可について」のページに申請の案内があります。
出入国在留管理庁の留学生向けの案内(PDF)は、資格外活動許可の包括許可が認められた場合、1週につき28時間以内、夏季休暇など学則で定められた長期休業期間中なら1日8時間以内のアルバイトができると書いています。
条文は、出入国管理及び難民認定法施行規則の第19条第5項第1号です。1週について28時間以内(留学の在留資格では、在籍する教育機関が学則で定める長期休業期間にあるときは1日について8時間以内)の活動を、条件を付けて許可すると定めています。
条文には、除かれる活動も書かれています。風営法に定める風俗営業や特定遊興飲食店営業などの営業所での活動、無店舗型の性風俗関連の営業への従事などは含まれません。応募する求人の施設が、これに当たらないかを確かめます。
また、条文は活動を教育機関に在籍している間のものに限っています。休学中の扱いは、学校の留学生担当の窓口で確かめてください。
上限は、住み込みで毎日働く契約と比べて短いものです。1日8時間で数えても、週に3日半です。応募する求人の勤務日数と、この上限を並べて、成り立つかを確かめます。
出入国在留管理庁の案内には、ほかに2点あります。アルバイトをしている場所を学校に伝えること。許可に違反していると、在留期間の更新が認められない可能性があること。
長期休業中の1日8時間という上限は、学則で定めた休業期間のあいだだけ使えます。
紹介会社の案内もあります。リゾバ.comはよくある質問で、留学・就労・ワーキングホリデーのビザで滞在している人について、紹介できるのはワーキングホリデーまたは留学ビザの人のみと案内しています。
複数の勤務先を合わせた時間の数え方、自分の許可の内容は、在留カードの記載と、学校の留学生担当の窓口で確かめます。ここでは判断しません。
学生でも変わらないもの
学生でも変わらない制度があります。変わらないものを知っておくと、確かめる範囲が狭くなります。
労働基準法の第39条は、雇入れの日から6か月間継続勤務し、全労働日の8割以上出勤した労働者に、年次有給休暇を与えるよう使用者に求めています。学生であることは条件に入っていません。リゾバ.comもよくある質問で、18歳以上の大学生も有給の対象としています。
ただ、夏休みだけの契約では、6か月に届きません。短い契約で有給が付かない理由は、先ほどの短期の記事にあります。
仕事中の怪我の労災も、学生であることで変わりません。労災の流れは労災の記事にまとめました。
労働条件を書面で明示される点も、学生だから変わることはありません。書類の見方は、手取りの記事と応募前の注意点の記事に書きました。
期間の短い派遣には、昼間の学校の学生が例外として働ける定めがあります。派遣で雇われるかどうかは、直接雇用の記事の「短い期間の派遣には、法律の制限がある」の節にあります。
応募の前に、確かめる順番
全員がやることは1つです。担当者に「大学の学生ですが、この契約で何に入る扱いですか」と聞きます。ほかは、当てはまる人だけです。
| 相手 | 聞くこと・確かめること | 当てはまる人 |
|---|---|---|
| 紹介会社の担当者 | 雇用保険・健康保険・厚生年金に入る扱いか。契約期間と更新の見込み | 全員 |
| 学校 | アルバイトの届出や許可が要るか。長期休業の期間。授業の再開日と契約の満了日が重ならないか | 全員(留学生は学則の休業期間も) |
| 年金事務所・市区町村の窓口 | 学生納付特例の申請の期限と、働いた分の所得の影響 | 20歳以上 |
| 家族 | 健康保険の扶養に入っている場合の届出 | 扶養に入っている人 |
学校のアルバイトの決まりは法令にはなく、学校ごとに違います。ここで書けるのは、聞く先があることまでです。
授業の再開日と契約の満了日を、応募の前に並べておきます。重なると、途中で辞めたいときの手続きに進むことになります。その場合の流れは途中で辞めたいときの記事に書きました。
高校生の場合は、法令の制限が別にあります。高校生の記事に書きました。
この記事で参照した情報
- e-Gov法令検索:雇用保険法(第6条) ↗最終確認:2026/10/12
- e-Gov法令検索:雇用保険法施行規則(第3条の2) ↗最終確認:2026/10/12
- e-Gov法令検索:健康保険法(第3条第1項) ↗最終確認:2026/10/12
- e-Gov法令検索:厚生年金保険法(第12条) ↗最終確認:2026/10/12
- e-Gov法令検索:国民年金法(第7条・第90条の3) ↗最終確認:2026/10/12
- e-Gov法令検索:労働基準法(第39条) ↗最終確認:2026/10/12
- e-Gov法令検索:出入国管理及び難民認定法施行規則(第19条第5項) ↗最終確認:2026/10/12
- 厚生労働省 東京労働局:雇用保険の被保険者に関するQ&A(Q18) ↗最終確認:2026/10/12
- 日本年金機構:短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用拡大のご案内 ↗最終確認:2026/10/12
- 日本年金機構:国民年金保険料の学生納付特例制度 ↗最終確認:2026/10/12
- 出入国在留管理庁:新しく入学した留学生の皆様へのお知らせ(PDF) ↗最終確認:2026/10/12
- 出入国在留管理庁:資格外活動許可について ↗最終確認:2026/10/12
- リゾバ.com リゾートバイトでよくある質問 ↗最終確認:2026/10/12
- リゾートバイト.com よくある質問 ↗最終確認:2026/10/12
- アルファリゾート よくある質問 ↗最終確認:2026/10/12
- リゾートバイトダイブ 給与・保険・制度のよくある質問 ↗最終確認:2026/10/12
法令や各社の案内は改定されることがあります。労働条件は求人ごとに異なるため、実際の条件は応募先から示される書面と公式の案内でご確認ください。